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「…なんだ…そっか…ハハッ。」 「約束だ。キスしたんだから諦め」 「冬馬さん。」 もう、どうしようもないや。 マックの君も。お母さんも。 "汚点"だ。私は。 マックの君の言葉を遮り、名前を呼んだ。 なんだ。結構すんなり言えた。 見上げると、ちょっと驚いた顔しているマックの君。 「…この前…メッセージ…送りました。 …あの答えが、今分かりました。」 「……え?」 諦めたくないけど諦めなければいけない。 そんな状況。 「……ナツちゃん?」 「諦めるんです。………自分を。」 そう言って、思いっきり笑って見せた。 考えても無理だ。 マックの君を諦めるなんて出来ない。 だから、自分の方を諦めるんだ。 それが答えだ。
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