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そんなときだった。
《諦めたくないけど諦めなければいけない場合、人はどうやって生きればいいですか?》
そのメッセージを見るなり固まった。
これは、俺のことを言ってるのか?
やっと諦める気になった?
ホッとする反面、どうしようもない喪失感に襲われた。
あの子が、夏が、俺から離れてしまう。
そう仕向けているのは俺なのに、どうしようもなく胸が苦しい。
あの笑顔が、見れなくなる。
…それでいいのか?俺。
俺が選んだのは最善の方法のはずだ。
…それでいいんだよ。俺。
真逆の思考が支配する頭。
悲しく、辛く、苦しく。
そういう気持ちも今だけだ。夏。
俺のせいにすればいい。
"初恋は実らない"と言うじゃないか。
文字通りなんだ。
「…ハハッ…何で泣きそうなんだよ…」
俺だって苦しい。相当苦しいよ。
お前だけじゃないから心配すんな。
「…………?」
そう思った瞬間、違和感を覚えた。
…こいつ、なぜ生きる方法を聞いてるんだ?
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