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「…お前さ、それでいいの?本当に。後悔しねぇか?本気で好きなんだろ?」
「…後悔ならしてる。とっくの昔に。」
「だったら!」
「でも満足なんだよ。これで彼女の心は守られる。無駄に傷付かない。」
何度説得されようが、意思は固いから。
後々、思い出になればいい。
苦い初恋だったと。
そうして俺を嫌いになればいい。
だから俺は、弱ってる君を攻撃する。
立ち直れないくらい嫌いになるように仕向ける。
…一瞬、気持ちが揺らいだ。
腫れた頬が痛々しくて。
いつもみたいな元気も覇気もない。
ーーー大丈夫か?ーーー
思わず口に出しそうになった言葉を飲み込んだ。
まるで俺に感情をぶつけるように話す。
苦しい!助けて!
そう叫んでいるのが分かるのに。
俺の一言に、夏がぶちギレた。
…キスして?
耳を疑った。
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