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瞬間、指令本部より出動命令が出た。
こんなときに、なんてタイミングだ。
笑顔が、無理してる。
誤解だよ。違う、夏。
それだけは解いておきたい誤解。
君が絶望するのは俺でいいんだ。
だが、そういう時間もなく、優先は消防官としての責務を果たさなければならない。
後ろ髪を引かれる思いで火事現場へ向かった。
頭の切り替えは出来る。
だが、緊張した時間が過ぎ、鎮火後の現場検証になると、一気に不安が押し寄せてきた。
「…冬馬!」
「は、はい!」
「警察入れろ。原因が分かった。」
「はい。」
隊長の言葉で我に返る。
仕事中に何考えてるんだ。今は夏のことを考えてると、怪我をしてしまう。
幸い、死者のいない現場だった。
それだけが救いだ。
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