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どうすればいいのか分からなくなってきた。
…いや、追うべきだと分かってる。
どんなに嫌われても、絶望されてもいい。
…ただ、幻滅されたくない。
そんな自分本意の考えが支配する中、週末になった。
やはり、夏の姿は見れなかった。
どうしようもないほどの喪失感。
そして、いまだに迷いがある自分への絶望。
…俺は…男として行動したい。
それを圧し殺して接してきた。
この迷い、女々しすぎる。
頭で分かってるのに、踏ん切りがつかない。
「…冬馬。ちょっといいか。」
翌日日曜、7時には出勤していた刈谷副隊長が俺に声をかけた。
不思議に思いながら見上げると、俺のデスクに一通の葉書が置かれた。
「…金曜日、俺宛に届いたものだ。見てみろ。」
「……?」
宛先は署の住所。副隊長の名前。
「……っ!!」
送り人は、"谷口 夏"
目にした瞬間、すぐに裏返した。
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