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プクーと頬っぺた膨らませて横を向く。 正面に座る千夏ちゃんがクスクス笑ってるのが分かる。 本当に楽しそうに笑ってる。 ちょっと横目で見ると、目に涙を溜めていた。 「そんなに楽しいの?」 「うん。可愛いから。」 「可愛……ッ!…へへ。千夏ちゃんも可愛い。」 「…また、変な方向に話が飛んだぞ。」 「千夏ちゃん、可愛いよ。大好き。」 「もう、こうしてやる!!」 「きゃーー!」 立ち上がった千夏ちゃんは、私の頭を両手でグリグリした。 髪の毛クシャクシャになったけど、千夏ちゃんなりの感情表現。 楽しくて嬉しくて。いっぱい笑った。 「あ。…忘れてた。」 「…え?」 「奴らの存在。」 ピタッと止まった千夏ちゃんは、窓側に指を指した。 それを目で追うと、堂本くんと早瀬くんがこっちを見て目を大きくしてた。 「…睨んでないよね?」 「睨んでないよ。見つめてる?プッ!」 「変なの。千夏ちゃん、このあとどうする?」 「あー、私は帰る。じーさんばーさん来るんだって。」 「そっか!家族団欒。いいねぇ♪私も帰ろうかな。明日の予習もあるし。」
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