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席を立ったのと同時、堂本くんと早瀬くんも慌てて席を立ったのが見えた。 そして、店を出たところで声をかけられ、千夏ちゃんの後ろに隠れるように立った。 「帰るの?」 「うん。あんたたちも帰れば?」 「帰るよ。…お……送ろうか?」 「プッ!…アハハ!…わっかりやすー!」 何が分かりやすいんだろう? こっちは若干パニクってんのに。 「よし。フェアにいこうぜ早瀬。」 「おう。」 「谷口、家はどっち方向?」 「…あっち…です…」 「アハハハ!!」 もう、笑いが止まらない千夏ちゃん。箸が転がっても面白い年頃なのかな。 「あっちじゃ分からないでしょ?」 「…そっか。○○です。」 「……チッ!」 「俺の勝ち。一緒に帰ろう。」 「え!やだ!一人で帰りますからお気遣いなく!千夏ちゃん!またね!大好き!」 「私も大好きよーん。バイバイ。」 舌打ちしたのは早瀬くん。 一歩前に出たのは堂本くん。 一緒に帰る意味が分からないから、とりあえず駅に向かって走った。
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