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「苦しかったでしょ?疲れたでしょ?ごめんなさい。部活で疲れてるのに。」 …なんだ。そんなこと。 俺は守りたかったからそうやっただけなのに。 「俺が好きでやったことだし。謝られても困る。帰ろうぜ。送るから。」 「いえ!すぐそこなので大丈夫です!ありがとうございました!」 「いいから行くぞ。」 「あの!手!手!手!」 どさくさに紛れ、谷口の手を掴んで改札を出た。 …小さい。…しかも柔らかい。 女ってこんなんなんだ。 と。谷口が必死に離そうとしているのに気付き、立ち止まって振り返る。 「…何でつねるの。痛いだろ。」 「いやーー!怖い!」 「家、どこ?」 「反対方向です!どこに連れていく気!」 ……先にそれを言ってくれ…… ま、テンパって歩いてた自分も悪いけど。
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