2

39/54
前へ
/356ページ
次へ
翌日、朝から緊張しながら学校へ向かった。 教室の外に呼び出して、きちんと断ろう。 みんなの前じゃ私も恥ずかしいし。 断るところを堂本くんだって見られたくないだろうし。 上靴に履き替えて、気合いの一発を頬に。 そして、教室に。 「俺、見ちゃったんだよね!!昨日、堂本がコクってるとこ!」 「…ッ!!」 ドアを開けたとき、堂本くんの周りに集まっていた人の一人が叫んだ。 瞬間的に身体が硬直した。 「は?マジかよ!お前、好きな子いたの?」 「ばっ……ちげーよ!!」 「相手もバッチリみた!」 「えっ!誰!誰!」 「なんと、谷口!!」 「マジかよ!何で谷口!?」 「もっとマシなのいるだろ!!」 「うるさいな!!コクったとかじゃねぇよ!!からかったんだよ!好きじゃねぇよ!!」 輪の中心の人物が、迷惑そうにそう叫んだのも聞こえた。
/356ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2886人が本棚に入れています
本棚に追加