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千夏ちゃんは、私といることが迷惑だったのかもしれない。 考えてみれば、最近距離を置くようになってたかも。 そんなことも気付けなかった。 言われたことを鵜呑みにしてしまう自分。 "可愛い"とか "楽しい"とか。 本当は社交辞令のようなものだったんだ。 私は誰を信じればいい? 「……………」 そもそも、人を信じるという行為事態、避ければいいんじゃないだろうか? そうすれば、無駄に苦しまずに済む。 お母さんだってそうだ。 いつか毎日帰ってくると信じてるから、いつまでも求めてしまう。 お父さんの死で、人はあれだけ変わるんだ。 もう、自立しよう。 人から、学校から、何もかもから。 「……何考えてるの?」 「!!!」 男の低い声。 ずっと俯きながら考えてたから、人がいるなんて分からなかった。 一点を見つめながら硬直した。
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