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「…あのっ!すみませんでした!」 「落ち着いた?」 「はいっ!」 思いっきり泣いて、気付いたら辺りは暗闇で。 離れたグラウンドの照明と外灯が目立って光る時間になっていた。 そうは言ったものの、何とも気まずい。 何を話せばいいか分からないし、長い時間付き合ってくれたマックの君のことも気になるし。 「…今、7時40分。…家の人、心配してるんじゃないの?連絡入れたら?」 「…え?」 「見たところ、君は真面目そうな子だから。時間通りに帰ってこない子供を心配するお母さんの情景が目に浮かぶようだ。」 …真面目そうな…か。 そういうイメージなのかな。 それより地味って感じだけど。 「…あー…そうですね…もう帰らないと…」 「いや、だから。今連絡しなさいって言ってるの。携帯あるでしょ?」 「……………」 そんなこと言われても、心配する親なんかいない。 でも、マックの君は本当に心配してる。 ここは、フリだけでもして安心させないと。 携帯を開いて家の番号にかける。 無機質な音が響き、留守電に切り替わる。 「…今から帰ります。…じゃ。」 それだけ言うと、直ぐに切った。
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