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「あーー!もう!分かんない!」 「どこ?」 「ここ。なんか、天文学的な数字になった!」 「…ああ、ここだ。ここを省いてこの公式を当てはめると…」 「…!おお!なるほど!ありがとう!」 喜怒哀楽がハッキリしている千夏ちゃん。 同性から見ても美人で可愛い。 私とは正反対。 「ナツは塾行く?」 「行かない。…ってか、行けないよ。そんなお金ないもん。」 「あ…ゴメン。」 「いいよ、気にしてないから。」 「私、どうしようかなぁ…大学とか行く気ないんだけど。」 「そうなの?」 「うん。美容関係の専門学校行きたいんだ。」 「そうなんだ!親と相談してみたら?」 「…それがコワー…ん?」 「?…どうしたの?」 「ナツ、見てよあの人!めっちゃカッコいい!」 「え?」 千夏ちゃんが指を指したその先。 窓際のカウンターに座る一人の男の人。
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