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ヤバい。 心臓がドクドクいってる。 顔より耳が熱い。 「…こんな熱烈な逆ギレ告白は初めてかも。」 クスクス笑いながらそう言われた。 やだ。恥ずかしい。 「す…好きになってすみません!」 今度は勢いよく謝って鞄を掴み、門に向かって走って。 ピタッ!と止まって元の位置に戻って。 「お兄さん、名前教えてください!」 「…トーマ。君は?」 「ナツです!すみません!」 また謝って門に向かって走って。 もう一つ聞きたいことがあったと思い、また元の位置に戻って。 「あのっ!いつもここにいるんですか!!」 「…二日に一度。」 「また来ます!すみません!」 「待った。」 「いやーー!いやーー!!怖い!!」 帰りたいのに後ろ髪を引かれ、一緒にいたいのに恥ずかしくて逃げたい。 そんな思いがゴチャゴチャしてて。 急に手首を掴まれたからビックリして。 いっぱいいっぱい過ぎて。 「ごめんごめん。本気だって分かったから。ちょっと落ち着いて。」 クスクス笑う、私とは違う大人の余裕。 余計に恥ずかしくなった。
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