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「もう暗いって分かってる?」 「分かってます!あのっ!手!手!」 「ハイハイ。離すから逃げるなよ?」 ゆっくり離された。その場所が熱を持った。 ドキドキしすぎて心臓が止まりそう。 「高校から遠いよね。家、この辺り?」 「……?マックの君はこの辺ですか?」 「直ぐ近く。…俺じゃなくて君のこと聞いてるんだけど。」 「…電車で帰りますけど。」 「……………」 あれ。 然り気無く告白スルーされてない? かなり恥ずかしかったのに。家の話とか今しなくてもいいのに。 「ナツちゃん。」 「…きゃーー!恥ずかしい!名前を呼ばないでください!恥ずかしい!」 いっぱいいっぱいの状況で、ちょっと落ち込んで、またドキドキ最高潮に持っていくとかありえない。 マックの君が… 好きな人が私の名前を呼んでるなんて… 「………どうして笑ってるんですか。」 また、一気に急降下。 声を圧し殺して肩を震わせているマックの君。 若干涙目になってるし。
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