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それにしても、本当にずっと走ってる。 たまに歩いて、水分補給しながら息を整えて。 そして直ぐに走って。 飽きもせず、その姿をずっと目に映していた。 私がここに着いたのは昼過ぎ。 そのときは既に汗だくだった。 一体どれくらい走ってるんだろう。 泣いてるように見えたマックの君。 会って話せば、結構気さくで喋りやすく、心配性でよく笑う人。 名前はトーマさん。歳は26。 知らなかったことが増えてきて嬉しい。 今日は、心配かけないように、明るいうちに帰らなきゃ。 そう思うけど、帰ったら現実が待ってる。 誰もいないリビング。 一人で食べるご飯。 明後日には、学校が始まっちゃう。 教室に行けばきっとみんなに変な目で見られる。 勘違い女だって。 堂本くんだって笑ってると思う。 そして千夏ちゃん。 もう、あんな風に喋ったり出来ないだろうな。 "利用できる女"とか、それでいいやって思ったほど大好きなのに。 大好きだから、利用されたくなくて。
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