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「あのっ!」 「ん?どうした?」 「直接聞くってどうやるんですか!…怖いんです!聞けません!」 「…うん。16の時は難しいよな。でも、そのままの状態だと後悔しない?」 「するに決まってます!だけど怖くて…学校も辞めたいって思い始めてて… みんなの目が怖いし…嘘つかれることばかりで苦しかったから、人を初めから信じなきゃいいって思って!」 「…ナツちゃん、それは全部後で後悔することばかりだから勧めないな。」 「だって…私はみんなから嫌われてて…煙たがれてて…」 「それはみんながナツちゃんを知らないからだよ。 俺だって知らないけど、少なくとも、知らない男にハンカチ差し出せる優しい子だってことは知ってるぞ?」 「…学校辞めて…自立しないと…お母さんが…」 「……え?」 「私は…誰からも必要とされてなくて…」 「……………」 「だけど…マックでマックの君に会ったとき…本当に目が離せなくて…恋する自分が希望のように思えて…」 そこでハッ!となった。 自分が喋っていることに。 そして、日が傾いていることに。 「…すみません!今の全部嘘です!忘れてください!…帰ります!」 …顔が熱い。 どうしよう。こんな話して、変な子だ。 弱さを晒け出している自分が恥ずかしい。
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