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と。 また手を掴まれて。 「ハイハイ。駅まで送るから。」 「いえ。まだ明るいので大丈夫です。それよりも、マックの君が溜まった乳酸を出さないと、明日に響きますので。」 「乳さ……アハハハ!」 「………どうして笑ってるんですか。」 「いや、ちょっと予想外だったから。 …ナツちゃんが本気で俺を好きになってくれたことは嬉しいよ。」 「……え?」 ニコッと微笑みながらそう言ったマックの君。 今、自分が晒け出したことについて、何か言われると思ったのに、それに触れないで一目惚れしたことについて触れてきた。 瞬間、一気に血液が顔に集まった感覚。 嬉しいって。嬉しいって。 「君が本気だから、俺も本気で向き合おう。上手くいくかもしれないし、ダメかもしれない。 それでもいいなら、俺は君の気持ちを真剣に考える。」 「…え?……ぅええぇぇ!?」 「でも、直ぐにお付き合いって訳にはいかない。俺は君を全く知らないし、逆に君も俺を全く知らないだろ?」 突然の申し出。 ドキドキ。ドキドキ。 上手く声が出ない。 「今は知り合い。顔見知りになった程度だ。だから、まずは友達になろう。 いっぱいお互いを見せ合って、それが恋に発展するならば、時間はそうかからないと思うよ? いいところも、悪いところも。聞かれたことは支障がない限り何でも話していこう。 どう?ナツちゃん。」
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