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「ナツ!何してんの!…すみません!」 「…え?……わっ!…あの…」 「……………」 私へと真っ直ぐ視線を向けたその人。 直視できず、思わず俯いた。 ドキン!ドキン!ドキン! なぜか鼓動が早くなり、顔が熱くなる。 「…こ…これ!使ってください!失礼しました!」 勢いよく頭を下げて、足早に出入り口に向かった。 「ナツ!!ストップ!鞄忘れてる!!」 「……ッッ!!」 千夏ちゃんの叫び声で我に返り、もう一度その人の前を通って鞄に教科書を詰めて… ……チラッ。 「ーーーーーッッ!!」 その人は私の様子を見てて。 さっきより顔が熱くなって。 「ち、千夏ちゃん!!帰るよ!!」 「…左手足、一緒に出てるから!ちょっと落ち着け!もう!」 なんか分からないまま、店を出た。
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