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ーside ナツー 千夏ちゃんが見えなくなるまで手を振ったあと、背凭れに身を任せて一つ息を吐いた。 私の誤解。 千夏ちゃんの本音が聞けた。 それで元通りになった。 マックの君の言う通りだった。 「千夏ちゃん、いい子じゃん。」 「そうなんです!美人だし!綺麗だし!いい子なんです!」 「仲直りできて良かったね。」 「はい!マックの君の言った通りでした!聞いてよかったです!」 千夏ちゃんが褒められた!嬉しい!誇らしい! 顔が緩んでしまう。 クスクス声を殺しながら笑った。 そこでハッとなった。 マックの君が電話に出たのはこのためだったのかな?後悔しないため? 「あのっ!」 「ん?」 「こうなるって、マックの君は分かってたんですか?」 「…どうかな。」 「なんだ…違うのか…」 「…多少強引だったけど、何となく?さっき言っただろ。経験から人は賢くなるの。」 「あっ!そっか。…凄い!マックの君!呆気なく解決してくれました!ありがとうございました! 凄いなぁ…尊敬する…へへっ!」 「それにしても、凄い判断力だったな。いろいろ探られた気がするけど、どう映ったかな?俺。」 「え?カッコよく映ったと思います。」 「…………そりゃどうも。」 「信じてください!本当です!カッコいいです!素敵です!」 「分かったから。誉め殺しストップ。」
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