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「こぉーいーしちゃったんだ♪wow」 「……は?」 歩いて歩いて、よく分からない場所の小さな公園に辿り着いた。 千夏ちゃんも後ろからずっとついてきてくれて。 自販機でお茶を買って喉を潤すと、少し落ち着いた心臓。 ベンチに座って深呼吸すると、突然歌い始めた千夏ちゃん。 「…ナツ、さっきの人に一目惚れしたんだ?」 「…一目惚れ?」 「うん。」 「いやまさか。一目惚れとか信じてないし。」 「実際してるし。」 「してないしてない。」 「じゃあ、さっきの行動は何だったの?」 「行動?」 「あの人にハンカチ渡してた。」 「…泣いてなかった?」 「全然。」 「………あれ?」 「泣いてるように見えたの?」 「…うん。」 …落ち着いて考えたら…そうだったかも。 ただ、悲しそうな表情してただけで。
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