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薫とも同級生。 腐れ縁というか。 幼稚園からの悪友で、何もかもリンクしてしまう親友だ。 希望していた高校、職場、食い物。ここまでリンクすると、目の前にいるマスター、宗司も苦笑するほど。 「え。何か落ち込んでんの?お前。」 「別に。」 「高校生に言い寄られてんだってさ。」 「うわ。オイシイな。どこで知り合った?ナンパか?合コン?」 「お前じゃねーよ。」 「あ、酷い。傷付いたよ。」 「お前は黙ってろよ。で?冬馬。その女子高生が気になってんの?」 「………さぁな。」 …あの日、急に差し出されたハンカチに救われた気がしたのは確かだった。 知らず知らずのうちに泣いてたのかと、自分で確認したくらい。 …泣いてはいなかった。 だけど、泣きそうだった。 そんなときにあの子にハンカチを差し出されたんだ。
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