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正直、驚いた。 心配そうに差し出した手は震えていたが、真っ直ぐ俺を捉えた瞳。 一瞬、それに吸い込まれそうになった。 でも、逃げるように出ていった。 ……真っ赤な顔で。 (…うわ。なんだこれ…) その表情を見て、自分の顔も熱いことに気が付いた。 なんと言うか。…グラッときた。 でも、コーヒーをおかわりして飲んでたら、冷静になった自分がいた。 …相手は制服。高校生のガキだ。 相手にならない。 家に帰ってテレビをつける。 俺が好きなクイズ番組。 アイドルなんて興味ないが、素人臭いアイドルがレギュラー出演しているクイズ番組が本当に面白い。 無理しているようにも見えて。 素の姿にも見えて。 だが、それが一切目にも耳にも入ってない。 思い出す、さっきの女子高生。 …やられたね。あれ。 透き通るような白い肌。 目は大きく、唇は何もつけてないのに真っ赤で。 俺と目があったとき真っ直ぐ見たのに、ハッとして俯くと、白い肌が首まで紅くなって。 俗に言う"一目惚れ"と理解した。 が、 相手は高校生。 直ぐに諦めた。
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