第三話

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どうしてこんな事になるんだ。 高校生活最後の一年 始まったばかりでこんな。 「今井さん好きな食べ物なに?俺オムライス。もちろんケチャップ派ね。後は、そうだな…」 愛野と喧嘩した理由だって、 上原さんに嫌われてる事だって 「甘いもんも好き。辛いやつはにが…て…」 「もう、うるさい。」 全部全部この男が私の前に現れたせいだ。 「なんで私に執着するのか知らないけど、いい加減にして。私はあんたなんか大嫌いだから!」 勢い任せに怒鳴りつけた私を見て、ポカンと口をあける佐山。 傷つけてしまったかもしれない。 一瞬だけ罪悪感を感じたが、これで私に関わらないでくれるならそっちの方が助かる。 私は日々を平穏に暮らしたい。 「俺は今井さんが好きだよ。ずっと。それにこれからも。」 「なっ…。」 一体彼の頭の中はどうなっているんだ。 この状況でまだいうか。 「そうやって嘘までついて気を引こうとして楽しい?昨日自分で言ったじゃない。引っ越してきたばっかりだって。私の事何にも知らない癖に…最低!猪バカ!」 「い、猪バカって…」 いてもたってもいられなくなり、 苦笑いを浮かべる佐山から逃げる様に 私は教室を飛び出した。 行き先はもう、決まってる。
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