第四話

3/7
858人が本棚に入れています
本棚に追加
/273ページ
「だ、い、じょ、う、ぶ…」 愛野への返信をするため携帯画面に親指を滑らせていると、 「3年1組。出席番号1番。今井 雅。」 突然背後から聞こえた声。 「……え?」 恐る恐る振り替えると、 「な…ど…ええ!?」 なんで、どうして。 「生徒手帳、落ちてたよ?」 そこには 赤の革製の手帳を私に差し出しながら、ニコリと微笑む、生徒会長松本くんの姿があった。 彼の瞳から放出される輝きがまぶし過ぎて目が眩む。 いきなりの出来事過ぎて頭の中は大パニックだ。 「ふっ…そんなに驚くなんて…さては悪いことでも企んでた?」 「そんなっ…、まさか!」 疑う様に細くなった目が私に向けられ、 必死で首を横に振れば「ジョーダン」っと言って、白い歯をニッと見せて彼は再び優しく笑った。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!