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夢なんではなかろうか。
全校生徒が憧れるあの王子様が、
「図書室ってなんで眠くなるんだろうね。」
私の隣で口を押さえながら欠伸をしている。
言ってることも、やっていることもいたって普通なんだけれど
それらがいちいち爽やかなのは
もはや生まれ持った彼の才能だと思った。
「あ、そういえば俺の名前…って、知ってるか。」
「ふふっ…松本くんの事知らない人なんていないよ。人気者の生徒会長様だし。」
「人気者って…ないない。生徒会もなんとなく流された感じにやってるだけだし。見た目通りの普通の男。」
「そんな事ない!だって、松本くん。入学式でだって入試トップで代表挨拶してたし、二年生の時は体育祭でMVPに選ばれてたし、今だって学校の顔として一目おかれる存在だし、なにより回りの子供っぽい男子とは全然違うと思う。スッゴいかっこよくて大人…」
「ストップ、ストップ。今井、もういいよ。ありがとう…」
ペラペラ喋り続けてやっと気付いた。
うつむく松本くんの耳が真っ赤になっていること。
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