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遠くから楽しげに登校する生徒達の笑い声が聞こえる学校の屋上。
今、私の目の前に一人の男の子が立つ。金色の柔らかそうな彼の髪を 、春のイタズラな風がソヨソヨと揺らしている。
「ず、ずっと前から好きでした。俺と……付き合って下さい」
透き通る様な白い肌、その頬だけを桜色にほんのりと染めた彼が深々と頭を下げ、私に向かって手を差し伸べる。
「あ……あの……、顔を上げて下さいっ……」
告白されるのは初めてじゃないけれど、この時ばかりはいつも緊張する。
誰かを好きになるっていうのは理屈じゃないし、素晴らしい事だと思う。好きになって貰えたのも嬉しい。
でもね。
今回の緊張はこれまでと少し違う。
───だって、私……
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