エピローグ。

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「美冬、おはよーって、ああー」 「眼鏡の修理、終わっちゃったの?」 出勤して第一声が、残念そうな二人の声で、笑ってしまった。 色々とあったけれど、眼鏡は無事に修理が終わった。 この分厚いレンズ越しの世界が久しぶりだ。 前とは違う景色に見えるのは、この数週間で色々あったからなのと、狼君が眼鏡の要らない色鮮やかな世界を教えてくれたからだと思うと嬉しい。 「やっぱこの眼鏡の方が落ちつくし、細部まで見れるから仕事がはかどるんです」 「へえ。でも、赤のフレームは確かに可愛いね……」 「でも、仕事中で良いと思うよ」 二人のあからさまな反応にクスクスと笑ってしまった。 「そう言えば、狼君は?」 「今日は一緒の出勤じゃないの?」 二人にその名前を言われて、思わず両頬が膨れてしまう。 「いいの。ちょっと今、意見の相違で喧嘩中だから」
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