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忘れていたとか。
意外と負けず嫌いで可愛いとちやほやされてる狼くんが聞けば怒り狂いそうな発言は止めて欲しいな。
「5分、エレベーター前で待ってやろう。来なかったら知らん」
「うわ。美国部長と一緒にエレベーター乗るなんて恐ろしいです。電話するから待って下さい」
エレベーター前で下のボタンを押す美国部長は、せっかち過ぎる。
狼くんに電話しても応答が無かったけれど、メールが来た。
『駅で追い付きます』
…………。
これって駅まで美国部長と二人きりって事だよね?
「もう良いだろ。どうせお前、合鍵持ってるだろうしさっさと行くぞ」
半ば引き摺られるようにエレベーターに乗ると、運良く数人一緒に乗り込んでくれた。
けれど、先日のお騒がせ二人だからか、はたまた美国部長が怖いからかイケメンだからか、ちょっと距離を取られた。
そして気まずい沈黙で死にそう。
「約束しろよ。もしサンドリヨンが俺を気に入れば今日すぐに連れて帰るからな」
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