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だから灰かぶり姫=シンデレラ=サンドリヨンなんだ。
「やだ。美国部長って私より乙女だわ」
「うるさいぞ。俺達の時間を邪魔するな。喋るな」
口ではキツイ事を言っている癖に、美国部長の声は柔らかく、目尻は垂れさがり。
イケメンな顔が台無しだった。
ムービーで撮りたい。
初めて、美国部長の尻尾と耳を見た。
ブンブンと大きく振るその尻尾は、まさしくワンコだった。
「ああああああ。可愛い可愛い可愛い。連れて帰っても良いかな? ハニー」
「わ、それは駄目です! 私のサンタなんですからね!」
慌ててサンタを奪い返そうとして、またしても盛大に扱けてしまった。
眼鏡を割ったあの日の様に。
「――おい」
一つ違うのは、扱けて美国部長の胸に鼻を打ってしまったことぐらいだ。
「痛いんだが? 今度は肋骨でも折ってくれるのかな?」
「ひー。すいません。でも、でも、サンタは私にとっても大事な猫です。もう離れるとか、今さらできません」
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