プロローグ

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「先輩、ホットミルク入れましたよ」 私は、狼くんの入れるホットミルクが大好きだった。 一欠けらのチョコが入っていて、スプーンで混ぜても最後に溶け残ったチョコが底に残っている。 私はそのチョコをスプーンで掬って、口に運ぶ瞬間が大好き。 カップを覗いたら幸せが残っているなんて。 幸せしか入っていないパンドラの箱みたい。 そう私が言ったら、狼君も笑うんだ。 「先輩って本当に可愛いですね」 って。 私に言わせれば、彼の方が可愛いのに。 フワフワの髪は、太陽の下では茶色に輝いて綺麗。 人懐っこく笑って気づいたらいつも近くにいた。
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