第1章

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気になったら、納得のいくまで調べる達である。 私の体は、自然とアーケード街に向かっていた。 風合いのある茶色い紙の示した通りの場所で曲がった。 確かに両脇には塀がある。だが、とても人間の登れる高さではなかった。 薄暗い路地を進んで行くと、少し開けた場所に出た。 昼の太陽が登り、小さなお店を照らしていた。 洋風の外観をもつそのお店の窓には、色鮮やかなステンドグラスが並べられていた。太陽にあたり、きらきらと輝いている。 思いの他、入りやすそうなお店の雰囲気に、 私は、自然とお店の扉を開けていた。 カランカランと入り口のベルがなった。 「いらっしゃい。」 姿は見えないものの店主と思われる声がする。 少し独特な鼻にかかったような声の持ち主だった。 店の中は日の光が良く入っていて、木目の床をステンドグラスのカラフルな色が照らしていた。 商品もよくある開運の水晶などを思い浮かべていたが、8cmほどの糸のように細い、針金のような物が一本ずつ並んでいた。 何のお店なのだろうか、予想外に落ち着きのある空間に私は戸惑っていた。
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