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「フューレンはどこ行ったんだ!あの小娘!!」
「え、フューいないんですか?」
「あぁ。あと少しでエレフを捕まえられるとこだったのに呼んでも出てこねぇしアイツ」
ロイエンがイライラと辺りを見渡していると上からありとあらゆる虫が降ってきた。
直撃のロイエン、回避するライツ、上から聞こえる幼い笑い声。
「よっしゃ!」
さも、やってやったぞと言わんばかりのはしゃぎ声に下を向くロイエンに代わりライツが上を向き、そこに居る少女を見つけた。
「フュー!」
「のやろ……降りてこい小娘!」
ロイエンの合図でどこからか水柱が上がる。
ロイエンは騎士であり水使いでもある。
曽祖母が魔法使いだったらしく先祖還りで魔法も使えるのだ。
だが、フューレンは水嫌い…慣れたように上手い具合に避けていくが内心穏やかではないのは確かだ。
「水やだ!嫌い!水消してよ!!水嫌い!ロイエン嫌い!」
「動くな!大人しくしろ!…っていつも言ってるだろうが!!」
大掛かりな追いかけっこが始まり、フューレンが落とした虫達は巻き込まれないように慌ただしく逃げていく。
その中にエルフもいたのだが、それに気づくはずもなく…
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