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ユウタの部屋は隣の102号室。
そしてコハルの部屋は103、キリトの部屋は104だ。
この廃墟は元々アパートで、号室自体は204まである。
これを初めに見つけたのはユウタなので、ここの管理人はユウタである。
気づけば102号室の前である。
いや、すぐ隣だから当たり前だけど。
ドアを二回ノックすればいいのだっけ?
記憶にあるマナーを考え、拳を作る。
__コンコン。
「ユウター、朝だよー」
少し声が震えてしまったが気にしない。
昔から、対人はそこまで得意じゃないからだと思うが。
それも異性となると。
暫くすると奥から、ガタン!ガタガタッ!バタン!ゴゴゴン!!と不可思議な音が聞こえてきた。
あ、起きてる?
一度シーン…と静かになってからまた音がした。
今度はトン、トン、と落ち着いた音だった。
こちらに向かって歩いているのだろうか。
そう考えているとドアがガチャリと開いた。
「起こしに来てくれたのかコハル!兄ちゃん嬉しいガッハ!!」
恥ずかしいセリフを吐きながら抱きつこうとしてきたので鳩尾にパンチを入れておいた。
「コハル!暴力は駄目だぞ。女の子なんだから」
「それより早く着替えてリビングきてよ」
これが馬門悠太こと、ユウタ=マッカート。
後の方が偽名である。
弟と同じく黒髪で、人工的に付けられた紫色のメッシュが特徴的。
そしてコハルから見て右目を前髪で隠しているのもこれまた特徴的だ。
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