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「どういうことだ?」
「アタシはね。孤児だったの……。ロスコーは、身寄りのない子供たちを集めて育てていた。アタシはそんな孤児の一人だったのよ。ロスコーをお爺ちゃんと呼んで慕っていたわ」
『早坂紅葉……か』
ロスコーの言葉に、紅葉は嬉しそうに頷いた。目元から新たに涙の雫が落ちたのは当然のことだ。
もう言葉を交わせないと思っていた相手に出会ったのだから。
「20年も経って、成長して容姿が変わっちゃったのに……流石ね、ロスコーお爺ちゃん」
『20年……。ワシが死んでから、そんなにも長い時が流れてしまったのか……』
俺は紅葉に問いかける。
色々、精算して貰う時だろう。
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