第20話【あり得ないがあり得ない】

5/5
前へ
/475ページ
次へ
 話が急にでかくなりやがったな。 『どういうことじゃノ?』  俺の肩にちょこんと座っている九尾が、俺の顔を見上げ問いかけてくる。  飛んだり座ったり、自由なやつ。  俺は心の中で九尾に答えた。  ……地上だぜ、地上。 『それのどこが変なのじゃノ』  迷宮の周りには、兵士たちの詰所があって、がっつりガードされてるんだぜ? おまけにその周りにはメビウス・シティが広がっている。  そんな状況下で、地上にモンスターって……あり得ないだろ?  だが、俺は次の九尾の言葉に、思わず絶句することになる。 『ふーむ。その理屈であれば、なぜ、兵士たちの詰所があるのかという話になるノ。しかも、迷宮の出入口を取り囲む様に。そうは思わぬかノ?』  …。  ……。  ………。  ……え?
/475ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1159人が本棚に入れています
本棚に追加