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「そうだねぇ。今までそんな事例があったって話も聞いたことがないし」
情報通である鈴子と健人が懐疑的ってことは、紅葉が間違ってるってこともあるのかもしれない。
紅葉は苦笑した。
「アタシは【青銅の竜】を目指す目的を説明しただけよ。信じる信じないは好きにして」
ここで一呼吸置いて、
「青銅の竜を見つけ、迷宮からモンスターが湧き出てくる理由を知ること。少なくとも、アタシは迷宮に潜る目的はそれしかないと思っているけどね」
と、紅葉は悲しげに微笑んだ。
その瞳には強い意思が宿っていた。
「それぞれの理由……ってところかしらね」
理沙がまとめ、それを聞いた紅葉は肩をすくめた。
ま、確かに理由なんてものは、百人いたら百人あったって構わない。
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