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ヴァジュラの輝きが増して、激しく明滅する。
体が動き出そうとするかの様に、腕が震え、足が持ち上がりかけるが、変化はそこまでだった。
ロボットの動きはそこで終わり。
源内の鎖を通しての紫色の光の供給も終わり、重苦しい沈黙が室内を覆っている。
「アオ、もういいぜ」
アオはその言葉に胸カバーを開き、それを見届けた源内はアオの側に伸びていた鎖と、作成中のロボットに絡みついていた鎖を引き上げた。
鎖はまるでそれ自体が生きているみたいに、空中で蠢いて、源内の両腕に絡みついていく。
「今、見せた通りだ」
「動かないっていうのは、わかったけど、どういうことなわけ?」
ここで理沙は一瞬、自分の頭を押さえて、言葉を探した。
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