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これなら、話が早いし、信用してやろうかとも思うってものだろう。
『でも、初めてあった時に、死ぬ様な目にあわされた。絶対許さんと、怒っておったノ』
……ノーコメで。
源内の問いかけにも、理沙は少しもぶれずに笑っている。
「で、何をすればいいわけ?」
源内は視線で理沙の前に、浮かんでいる鎖の先を指し示した。
「それを握って、目を閉じて祈れ。ヴァジュラに伝われば、目覚めるきっかけになるかもな」
理沙は少しだけ、鎖を見つめていたが、やがて手を伸ばしそれを握り締めた。
両手を組み合わせ、目を閉じる理沙。
その動きにためらいは一つもない。
理沙がそのポーズになってしばらく、ヴァジュラが発光、点滅を始めた。
その点滅が終了したころ、理沙が両手をおろした。
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