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『流石は英雄というところかノ……』
ああ……。
『アグン・ブロンテ……やつを倒すために、このワシが何もしないわけにはいかんな』
ロスコーの姿が輝き出す。
表情が苦悶に歪む。
「お、おい、爺さん。無理すんな……」
俺の声をかき消す様に、ロスコーは気合いの雄叫びをあげた。
すでに崩れ落ちたロスコーの死体が動き出す。いや、死体が動いているのではない。
死体が握っていた刀が宙に浮かび上がる。浮かび上がるにつれ、それを握っていた手から離れ、ロスコーの朽ちた肉体は再び地面に崩れ落ちた。
『我が愛刀【桜花】。ワシは今から、全ての気をこれに注ぎ込む。若人よ。名はなんと申したか?』
「桜井将五だ」
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