第64話【英雄の最後】

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 最後に残ったのは、淡い光を放つ刀【桜花】だけ。  桜花は主を待ちわびる様に、宙に浮いたまま。ロスコーは消え、辺りには静寂だけが残った。  紅葉の嗚咽の声は続き、俺はその肩をそっと抱きしめてやった。  辛いときに、一人で泣いてるなんて可哀想だと思うから、な。  辛いときには、なんだっていい。  掴まればいい。  そしたら、少しは軽くなるってもんだ。  そんな俺たちを、桜花の光が優しく照らす。  桜花、アグン・ブロンテ?  ロスコーに託されたことが、果たして俺に出来るのだろうか?  心の中で問いかけても、英雄の霊は応えてくれやしなかった。
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