第65話【悲しい真実】

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 腰につけるは、滅魂。  背中につけるは、桜花。  期せずして、俺は二刀を手に入れていた。  ……すげぇ心配していたけれど、俺は、桜花を振るうことが【出来た】。  太字である。  竜狩り倶楽部の中じゃ、無職の職業ってのは難儀なもんで、装備出来ない武器が非常に多い。  もし、そんな武器を振るおうもんなら、即座に取り落とすという素敵仕様。  だから、光る桜花を手に取り、それを振るうには勇気がいった。 『……妾というものが、ありながらじゃノ。……ぶつぶつ』  なんだか、ぶつぶついっている刀妖怪はいたけど、聞き入れるわけにはいかないよな。  この刀は英雄ロスコーが俺に託した、とっておきの武器なんだ。装備出来ないなんて落ち、申し訳ないもんな。
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