第66話【過去の葛藤】

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 パチパチと火が爆ぜる音がしていたのは、永久魔法で呼び出した照明の芸が細かったせいだ。  松明に火が灯る見た目を模して、火が爆ぜる音が時折混じるというハイクオリティ。  紅葉との会話を先に語っちまったが、俺たちはまだ、あの礼拝堂の最上階にいた。  あの後、ロスコーの体を他の部屋から持ってきた棺桶に入れて、紅葉が祈りを捧げた。  この建物は、礼拝堂であり、死者の安置場所でもあったらしい。  だから、棺桶もあったし、階段でどこに向かうか迷う俺に、紅葉は上に向かえといったのだ。  地下には大量の死者が安置されている。  ゾンビ蠢くルバーラントで、じゃあ地下に向かうか……とは絶対ならない。 『うふふ、うふ。もう、食べれぬノ~』
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