第12話【若者は声が大きい】

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 俺は慌てて、頭を横に振った。  いやいやいや、健人も岩清水みたいなやつも、それぞれ一人で十分。  どっちが主でも構わないが、似たようなやつが二人もいると考えるのは楽しい想像じゃない。  二倍疲れる気がする。 『同じ様にからかってくる、違うタイプの二人と考えるのはよいのかノ?』  ……性格わるいぞ、九尾。  岩清水を正面からにらみつけるハイディンの横には、ハイディンと同世代に見える男と女が一人ずつ立っていた。  男はハイディンの様子に、苦笑しているし、女はため息をついている。  男は優男風、女は美人だがその表情にいささか気の強さが見て取れる。  そういや、三人とも似たような格好をしているな。  揃いのコートに鉢巻き。
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