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……はたで見ている俺が、鳥肌を感じるほどの殺気を一人で正面から引き受ける。
『それはまずいのではないのかノ』
だから、はなはだまずいって……。
笑顔のまま、凄まじい殺気と共に樹丈が進む。
止めるものは誰もおらず、樹丈はハイディンの前に立つと、そのままハイディンを見下ろした。
彼が構えている刀はまるで無視だ。
「その刀が果たして、振るえるか?」
ハイディンは震える体を押さえきれず、まるで重力に押しつぶされたかの様に、膝下から崩れ落ちた。
手は辛うじて、刀を握れている程度。
『戦うどころではなかったノ』
あぁ、あの野郎……どんだけの圧迫感をハイディンに与えたんだ?
樹丈はハイディンの肩を、優しくポンと叩いた。
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