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地面を滑るように移動していた健人が、側面から大きく隠し槍を振るったからだ。
「おっと!」
樹丈はそれをすんでのところで、ガード。使ったのは空いていた左手だったが、その動きのために右拳に蓄えられていた力は霧散している。
そこから、岩清水と健人の猛攻が始まった。
岩清水が右、健人が左に位置して、攻撃を繰り出していく。
『凄まじいノ』
あぁ……。
九尾が呟いて俺が返事をした理由。
凄まじいのは誰か。
決まっている。
岩清水の動きも、健人の動きも、素晴らしい。素早さ、攻めのタイミング、目を見張るものがある。
だが、凄まじいのはやはり樹丈だった。
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