1159人が本棚に入れています
本棚に追加
岩清水が突きを二連で放つ。
その一つをかわし、突きに拳をあわせ迎撃。
健人が槍を下から上に跳ね上げる。
だが、樹丈は飛び上がり、柄の部分を足裏で押さえ、そのまま蹴りを放つ。
巨体なのに、なんだ、あの動きは……。
健人は槍を強引に引き抜きながら、その一撃を体を後ろに逸らすことで避ける。
丸太の様な足が巻き上げた風圧に、健人の髪が跳ね上がる。
その時には、態勢を整えた岩清水が新たな一撃を放つ。
攻撃と防御が目まぐるしく入れ替わる。
岩清水も健人も、並の使い手とは思えない。
なのに、あの樹丈という男はたった一人でさばいているのだ。
「呆れたものね。まだ、笑ってる……」
理沙の呟き。
最初のコメントを投稿しよう!