第16話【笑みの中の攻防】

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 岩清水が突きを二連で放つ。  その一つをかわし、突きに拳をあわせ迎撃。  健人が槍を下から上に跳ね上げる。  だが、樹丈は飛び上がり、柄の部分を足裏で押さえ、そのまま蹴りを放つ。  巨体なのに、なんだ、あの動きは……。  健人は槍を強引に引き抜きながら、その一撃を体を後ろに逸らすことで避ける。  丸太の様な足が巻き上げた風圧に、健人の髪が跳ね上がる。  その時には、態勢を整えた岩清水が新たな一撃を放つ。  攻撃と防御が目まぐるしく入れ替わる。  岩清水も健人も、並の使い手とは思えない。  なのに、あの樹丈という男はたった一人でさばいているのだ。 「呆れたものね。まだ、笑ってる……」  理沙の呟き。
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