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確かに、攻防の間、樹丈はずっと笑顔を崩していない。
俺も呆れるっつーの。
何者だ、あの男。
「……さすがは、メビウス・シティ。知らない実力者が、まだまだいるということですわね」
鈴子が感嘆のため息をついたタイミングだった。
攻撃の合間をついて、樹丈が大技を繰り出す準備を終えていた。
上空に飛んで、右拳を大きく引いている。
「危ねぇ、避けろ!!」
「「くっ!」」
俺が叫んだ言葉に二人が反応したのか、その前から危険な気配を察していたのか、健人と岩清水が左右に分かれて飛ぶ。
「喰らいやがれぇ!」
樹丈がその巨体と共に降ってくる。右拳に巨大なエネルギーを抱えたまま。
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