第16話【笑みの中の攻防】

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 確かに、攻防の間、樹丈はずっと笑顔を崩していない。  俺も呆れるっつーの。  何者だ、あの男。 「……さすがは、メビウス・シティ。知らない実力者が、まだまだいるということですわね」  鈴子が感嘆のため息をついたタイミングだった。  攻撃の合間をついて、樹丈が大技を繰り出す準備を終えていた。  上空に飛んで、右拳を大きく引いている。 「危ねぇ、避けろ!!」 「「くっ!」」  俺が叫んだ言葉に二人が反応したのか、その前から危険な気配を察していたのか、健人と岩清水が左右に分かれて飛ぶ。 「喰らいやがれぇ!」  樹丈がその巨体と共に降ってくる。右拳に巨大なエネルギーを抱えたまま。
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