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迷宮からの風に金髪の長髪が揺れていた。
顔立ちは非の打ち所がないほど整ったもので、強い意志を秘めた瞳が印象的だった。
「ヴォルヘイム……」
樹丈は一瞬いたずらを発見された子供の様に、明らかに顔をしかめ、ため息をついて男の名前を呼んだ。
銀色の鎧をまとった男は、ヴォルヘイムというらしい。
『お人形さんの様な見た目の男じゃノ』
馬鹿いうな。あんな殺気を放つ人形なんかねぇよ……。
このビリビリという肌の感触。
鳥肌を感じた樹丈の殺気を遥かに上回る、肌が粟立つといった方がいいだろう。
そんな危険な気配を放つ男だった。
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