第17話【銀鎧の男】

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 迷宮からの風に金髪の長髪が揺れていた。  顔立ちは非の打ち所がないほど整ったもので、強い意志を秘めた瞳が印象的だった。 「ヴォルヘイム……」  樹丈は一瞬いたずらを発見された子供の様に、明らかに顔をしかめ、ため息をついて男の名前を呼んだ。  銀色の鎧をまとった男は、ヴォルヘイムというらしい。 『お人形さんの様な見た目の男じゃノ』  馬鹿いうな。あんな殺気を放つ人形なんかねぇよ……。  このビリビリという肌の感触。  鳥肌を感じた樹丈の殺気を遥かに上回る、肌が粟立つといった方がいいだろう。  そんな危険な気配を放つ男だった。
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