第1章

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「────おいで」 私はそっと手招きします。海坊主が私のほうへとゆっくり歩いてきました。仮音が私達を見ていました。 彼女は言いました。呪いは喪失。 大勢の人の人生と将来の重みを抱きながら私は海に沈みました。 「さようなら」 とだけ言って、海坊主に抱かれながら沈みました。静かな海底の底へ沈みます。
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