死のゲームは満月の夜に

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浮気もなにも猫なんかあっちこっちで発情しまくりのヤりまくりですよ。 追跡できるワケないっしょ。 「先程も申し上げたように、去勢していただくしか……」 「アホンダラ! そんな可哀想な事メルローズちゃんにできるわけがねぇだろう!」 メルローズちゃんよりこんなワケの分からない事で怒鳴られてる大人の方がよっぽど可哀想ですけどね…… あ、なんか目頭があったかくなってきた…… 「じゃあさ」 ペペロンチーノを食べ終わった助手の小倉まさみが唐突に口を開いた。 風船並みに軽い頭の上には、今日もワンダーランドのネズミの耳が輝いている。 今更説明するのも面倒だが、コイツは彼氏とネズミの国に行ってから毎日ネズミの耳を付けるという究極生物への進化を果たした。 つーか、そのペペロンチーノ、俺の夕飯になるはずだったやつなんですけどね。 なんでシリアスな場面で注意しにくいのをいいことに食っちゃってんだよ。 てか、お前のせいでこの緊迫した空間にレンジの音がチーンとか鳴ってめっちゃ気不味かったわ! 俺のペペロンチーノ返しやがれこのボンクラーノ! 「なんじゃい、お嬢ちゃん」 剛田が鋭い視線だけをまさみに向けたが、ワンダーランドの住人にはガンを飛ばすなどという高等な脅しなど理解できるはずもなく、まさみは嬉々として続きを口にする。
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